3.起訴された場合の保釈について

 勾留されたまま起訴されると、勾留は継続されます。
 勾留されている被告人、その弁護人、法定代理人、配偶者、直系親族、兄弟姉妹等は、保釈の請求をすることができます(刑事訴訟法88条)。保釈とは、保釈保証金を納付させて未決勾留中の被告人を釈放する手続をいいますが、保釈には、請求あれば必ず保釈を許さなければならない場合(権利保釈)と、裁判所の裁量で保釈が認められる場合(裁量的保釈)があります。次の@からEまでの事由がない場合には、必ず保釈を許さなければなりません(権利保釈、刑事訴訟法89条)。すなわち、
@死刑、無期、短期1年以上の懲役・禁固に当たる罪を犯したとき
A以前に、死刑、無期、長期10年を超える懲役・禁固に当たる罪で有罪の宣告を受けたとき
B常習として長期3年以上の懲役・禁固に当たる罪を犯したとき
C被告人が罪証隠滅すると疑うに足りる相当の理由あるとき
D被告人が事件の関係者やその親族の身体・財産に害を加え、これらの者を畏怖させると疑うに足りる相当の理由あるとき
E被告人の氏名又は住居が分からないとき
です。これら@からEまでの事由があっても、裁判所は、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができます(裁量的保釈、刑事訴訟法90条)。  裁判所が、保釈を許す決定又は保釈の請求を却下する決定をするには、検察官の意見を聞かなければならないとされております(刑事訴訟法92条)。  保釈保証金の金額は、犯罪の性質、情状、証拠の証明力、被告人の性格・資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額が定められます(刑事訴訟法93条)。保証金の金額は増額傾向にあり、1991年以降、保証金の額が100万円以上と定められるケースが90%を超えています。  保証金の納付は、被告人以外の者が行うことも許されております(刑事訴訟法94条)。  保証金の納付後に、被告人は釈放されます。  弁護人としては、被告人の有利な情状を疎明して、裁量保釈を請求し、保証金額もできるだけ低額にするように裁判所と交渉することになります。  また、保釈請求が却下された場合は、第1回公判期日前の裁判官の命令に対しては準抗告ないし抗告によって不服申立てができます(刑事訴訟法429条、419条、420条)。