2.著作権事件
| 著作物とは、思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術、または音楽の範囲に属するものをいい、言語、音楽、舞踏、美術、建築、図表、模型、映画、写真、プログラムなどが著作物となります(著作権法2条、10条)。 わが国では、著作するだけで著作権が成立し、登録等を要しないものとされております(無方式主義)。 著作者は、著作物のもつ無体の価値を排他的に支配し、著作物に関して複製権、上映・演奏権、公衆送信権、口述権、展示権、頒布権、譲渡権、貸与権、翻案権などの権利を独占します(著作権法21条以下)。これが著作権(著作財産権)であります。この著作権は、譲渡したり、担保を設定したりして処分することもできます 。 著作者は、著作権とは別に著作者人格権を取得しますが、これは、公表権、氏名表示権、同一性保持権などを内容とするものであります(著作権法18条以下)。 著作権者は、著作した者が取得するのが原則であるが、法人等の従業員が職務上作成した著作物については、法人等が著作者となるのが一般的です。 なお、単にアイデアやヒント・テーマを与えたに過ぎない者は、著作者ではない点に注意すべきであります。 著作権者等は、著作物の無断コピーや無断演奏など、著作権の侵害行為に対し、差止請求及び損害賠償請求ができます(著作権法112条以下)。 この差止請求については、訴訟を提起していたのでは、損害がどんどん拡大してしまうことから、まずは仮処分を申請して、早期に差止する必要があります。訴訟は、訴状提出から第一回目の裁判期日までに、一ヶ月以上かかる場合があり、その後弁論、証拠調を経て、判決が出るまでに、長期間を要する場合があるのに対し、仮処分手続では、申請後、早ければ審尋期日を経て数週間で差止めの仮処分決定がなされます。 損害賠償請求については、侵害者が得た利益が損害額であると推定されています(著作権法114条)。また、著作権者等が通常受けるべき金銭の額に相当する額を自己が受けた損害の額として請求することもできます。 近時、コンピューターを中心とする電子メディアによって文字、音声、映像の同一信号への変換処理技術が発達し(いわゆる情報のデジタル化)、情報処理技術の進歩、情報通信技術の発達、情報通信ネットワークの整備が進んでおり、その結果、ネットワークの端末でデジタル化された情報の無断複製、無断利用による著作権侵害が容易になってきております。 このような状況に応じて、著作権法の改正も順次進められてきており、平成9年の改正法で、著作者の公衆送信権について、自動公衆送信の場合の送信可能化権を含め(著作権法23条)、無権利者がネットワークに接続したことだけで著作権侵害が成立することが認められるようになり、また、同一構内でコンピュータープログラムの著作物をLANなどで送信することについても、公衆送信に含めて著作権を及ぼすこととされました。 平成11年の法改正では、ビデオやCDの無断コピー防止装置を回避する装置、プログラムの製造、販売等の処罰規定等が設けられ(著作権法120条の2)、映画の頒布権にちなんで著作物の譲渡に関する権利(譲渡権)が新設され(著作権26条の2)、映画以外の著作物にも上映権が拡大されるなど(著作権法22条の2)の改正が行われています。 平成12年の法改正では、著作権保護を実効化あらしめるため、著作権侵害立証に必要な文書提出命令の拡充(著作権法114条の2)、法人の罰金刑の上限を1億円まで引き上げ(著作権法124条)、その他損害額の認定手続を整備しました(著作権法114条以下)。 |