13.離婚事件
| 1.離婚には、協議離婚(民763条)、調停離婚(家事審判法18条)、審判離婚(家事審判法24条)、裁判離婚(民770条)があります。夫婦間の話し合いで離婚(財産分与、離婚慰謝料、親権、養育費等の決定も含む)が成立する場合には協議離婚をすれば良いのですが、話し合いで解決できない場合には家庭裁判所に対して離婚調停を申立てます。わが国では、調停前置主義が取られており(家事審判法18条)、離婚については原則として家庭裁判所の調停を経なければならず、その多くは裁判離婚まで行かずに調停で成立しているのが実情です。 |
| 2.裁判において離婚が認められるためには以下の要件が必要です。すなわち、 |
| @配偶者に不貞行為があったとき(民770条1項1号) |
| A配偶者から悪意で遺棄されたとき(同2号) |
| B配偶者が3年以上生死不明なとき(同3号) |
| C配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込がないとき(同4号) |
| Dその他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(同5号)です |
| Dの内容としては、判例上、配偶者からの暴行や虐待、勤労意欲の欠如や浪費、配偶者の性的異常などが挙げられます。問題となるのは、有責配偶者すなわち婚姻破綻につき専ら又は主として原因を与えた当事者(例えば、自身が不貞行為を行った配偶者)からの離婚請求が認められるかについてですが、当初の判例ではこれを認めておりませんでした。しかし、破綻した婚姻関係を形式的に固定化しても抜本的な解決にならない等の批判があったため、破綻と有責行為との時期、有責の程度や破綻の程度、別居期間等の事情を総合して、有責配偶者からの離婚請求も一定の要件のもとで認められるようになりました(最高裁昭和62年9月2日判決)。 |
3.離婚に際しては以下の問題があります。 まず財産分与(民768条)です。これは主として婚姻中の夫婦共同財産の清算という性質を持ちますが、最近は離婚後の弱者に対する扶養の性質等も含まれることが実務上定着しています。対象は、名義の如何にかかわらず、共有財産及び実質的共有財産とされるものです。清算の割合については、判例のほとんどは、具体的事案ごとに夫婦が共同財産の形成に寄与した内容を検討し、その具体的寄与度を評価しております。これによれば、夫婦共稼ぎの場合には妻の寄与度を50%前後とするものが多いようですし、家業協力型の場合にはもう少し妻の寄与度が多い場合もあります。また、妻が専業主婦である場合には、30%から50%の範囲内で寄与度を認定したものが多いと言われております。 次に、離婚慰謝料(民709条)ですが、これは実務的には相手方の婚姻破綻から離婚に至るまでの一連の不法行為による精神的損害に対する損害賠償と捉えられております。算定根拠としては、有責行為の内容や期間、請求者側の事情や被請求者の資力等の様々な要因がありますが、判例によれば、100万円程度のものから1000万円を超えるものまで相当な幅があります。 また、離婚の際に未成年の子がある場合には親権者を決定しなければなりません(民819条1項)。これも、協議が調わないときには、裁判所は子の年齢や父母との関係等を総合的に考慮し、主に子の利益、福祉の観点から決められることとなります(同2項)。離婚の際には子の監護者の決定もなされますので(民766条1項)、養育費としての子の生活費を前提としたうえで、父母の分担額も決められますが、実務上では子供1人あたり5万円から10万円程度の養育費の支払が多いようです(もちろん、子どもの年齢や置かれた具体的な状況、父母の収入等によって差はあります) |