11.債権回収事件

最も有効な債権回収方法は、債権発生の時点において検討されるべきです。例えば、売買代金や請負代金、貸金などは、売買や請負、消費貸借契約を締結する時点において、相手方の財産関係を調査し、物的担保を取ったり、連帯保証人等人的担保を付けたりすることが考えられます。契約書についても、文書できちんとした契約を作成することはもちろん、強制執行受諾文言付きの公正証書にしておきすぐに強制執行できるようにすることや、支払いのための約束手形を差し入れてもらって支払いをより確実に履行してもらうための手段を講じることが必要です。

上記の手段をとることなく、または上記の手段をとっても不幸にして債権回収に関して事故が発生した場合またはその危険性が生じた場合には、迅速かつ経済的に債権回収を図る必要があります。そのためには、相手方の支払能力と支払意思を適確に把握したうえで、同意を得た上での自社商品等の回収を行ったり、追加の担保を差し入れ、債権譲渡や代理受領、代物弁済などによって実質的な債権回収を図ることもよく行われております。民法で規定されている留置権や先取特権、質権、抵当権等の担保物件を駆使したり、連帯保証人からの取立、相殺による回収なども積極的に利用すべき方法です。また、相手方の財産を発見した場合には、いち早く仮差押、仮処分等の保全手続を行い財産を確保するとともに、内容証明郵便による請求のほか、即決和解や支払命令等を利用することも考えられます。訴訟を提起して勝訴判決の債務名義を得た後は、不動産や債権、動産等に対する強制執行手続によって、現実の債権回収が図られることとなります。

回収のための資産調査の方法ですが、取引銀行(銀行名及び支店名)の調査、不動産の調査(例えば、一つの不動産が分かれば共同担保目録を見て他の不動産も分かる場合があります)、取引先の調査、必要に応じて家族関係等の調査(弁護士等が職権により調査することができます)などが必要です。